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★ トラベルクッキング ★

あれも食べたい。これも食べたい。…私は食いしん坊である。
そんな時、群ようこさんの「トラブルクッキング」という本にであった。料理に失敗したり、あれこれ悩んだりする軽めのエッセイだ。本屋で立ち読みしたとき「肉じゃがを土鍋で作る」という話に憧れ土鍋も買ったもんだ。もちろん買ったらすぐにひび割れ防止の為におかゆも炊いたさ!

そんなある日、母が用事でいないので私が晩御飯をお父さんと二人分作ることになった。私一人なら簡単に丼ものでもちゃちゃっと作って終わりなのだが、小うるさいお父さんの分まで作らねばならない。 「よし、いっちょ気合を入れで作るか」W町図書館で借りた料理本を広げる。でも、あんまり食べたい物が見つからないんだよな〜。ふとそこにブックオフで買った「トラブルクッキング」が…。そうだアジア料理が食べたい!!そこで、本に載ってたビーフンときゅうりのスープを作ることにしたのだった。 作者もこのメニューは成功してたもんね。

近くのスーパーへ買い物に行く。主婦の買い物タイムらしく少し混んでいる。幅広のビーフン目指してアジア食材コーナーへ向かった。そこは何だか人がいなかった。主婦はやっぱり和食なのかもね。そこへいくと私は気楽なパラサイト人間である。ワールドワイドにアジア料理くらい作らなくっちゃ。そんなわけ分からんことを考えながら幅広ビーフンを探す。ふと焼きビーフンセットが…それにすると今ある買い物リストが半分に減ることになる。まあ、もう一品あるしね。そういいきかせながらセットを手に取る。「何でもいいから美味しい物を作れよ」朝の父の声が背中をもう一押しした。そこにはトムヤンクンセットが!トムヤンクンといえば世界のスープ。アジア料理といえばはずせない。…はずである。それにもう「セット」という言葉の魅力に魅入られていた。これしかない。というかエッセイのレシピでは材料は分かるとしても調味料の分量とかが分からないということにも気がついたのであった。これは不安だ。かくしてらくちんセット2品をひっさげて帰っていったのであった。

アジア料理というものは、独特の匂いがする。ハーブの匂いだろうか、美味しそうだ。袋の後ろにかいてある通り作ればちょちょいのちょいである。味見をすると海老をたっぷり入れたトムヤンクンはすっぱ辛い。これだよこれ。オリエンタルな味。さめないうちに皿に盛りつけテーブルに置く。おとーさーん、ごはんできたよ!いただきまーす。2人でトムヤンクンを飲む。ごほごほっ!!二人でむせてしまった。辛い。そこが美味しい所なんだろうが、平和な家庭の食卓にはちょっと辛すぎる。やっぱりオリエンタルな料理は外でその店の雰囲気も味わいながら食べるのが美味しいのかもしれない。あまりの辛さにじっとりと汗ばみ、くらくらしてきた。私は誰?ここは何処?私は異次元を旅しながらトムヤンクンを食べていた。まさしくトラベルクッキング。って、これが落ちかい!

○おすすめ本 「トラベルクッキング」群ようこ


★わが心の中のオーケストラ★

いつもながらのW町図書館で「わが指のオーケストラ」という本を借りた。不覚にも泣いてしまうほどの感動作だった。「遥かなる甲子園」という漫画を知っているだろうか?この本は耳の聞こえない少年達が甲子園を目指すという作品で山本おさむという方が描いている。「わが指…」もこの人が描いていてこれまた耳の聞こえない人の話だ。耳の聞こえない子供にどうやって言葉を伝えるか、思っていることを伝えるのか。いろいろな事を考えさせられる本でした。

私はオーケストラというものをちゃんと聞いた事がない。宝塚を見に行った時は、生オーケストラだったがやっぱりあれは芝居とダンスがメインだし。それ以外に思いつかないほど文化的生活レベルの低い人間である。だが、「わが指…」の主人公は耳の聞こえない生徒に手話を通して心を揺さぶりそれを音楽であるとした。心を揺さぶるものが音楽であるならば、私の音楽はやはり絵画であろう。生き様をキャンバスにぶつけ生々しく多くの人の目の前にさらす画家はたちの悪いストリッパーだ。見たとたんぐらぐらするくらいアドレナリン出まくりの絵に出会ったことがある。心の中に音楽が吹き荒れた。

そんな私の心の中に音楽を鳴らしたのが世界的に有名な画家ヴィンセント ヴァン ゴッホだ。メジャーすぎてごめんねって感じだが、あの頃本気でのめりこんだ。「ゴッホの手紙」も読んだ。悩みが凝縮したような分厚い油絵の具の層は不思議なほど明るいのに重々しい雰囲気を与え、空間がねじれたような構図は見ているだけで不安になってくる。耳を切った自画像が印象的だった。村上龍の「限りなく透明に近いブルー」で少しだけその絵が出てくる。他にもいろいろな本に出てくることがあるので有名なのだと思う。私は、耳を切るほどの押さえきれない、もって行き場のないゴッホの情熱にシンクロした。耳は切らなかったけど。その時はやりたいことが上手くいかなくて、それでも何物かになりたくて、自分の中にある何かを表現したくてもがいていた…いや、そのもがき方も分からなくてただ口をパクパクさせていただけだったかもしれない。ゴッホも同じなんだと思った。力強くて陰鬱なゴッホの自画像の目がじっと自分を見ていた。その時、自分の中にある何かを表現したいと強く思った。そして、ひとかきした。上手くいかなかったけど。今も少しずつひとかきしては悩み立ち止まりそしてまたひとかきしている。なかなか前には進まないけど少しは前に進んでると思いたい。でも、最近思うことがある。たとえ後ろに流されていたってそれは自分なのだと。よくそのことを忘れてしまうんだけど、ふと思うことがある。ゴッホも同じ事を考えたのだろうか。また彼の絵を見たくなってきたぞ。


○おすすめ本 「わが指のオーケストラ」山本おさむ
       「遥かなる甲子園」山本おさむ
       「ゴッホの手紙」
       「限りなく透明に近いブルー」村上龍


★気の抜けたライダーが僕の人生★

住宅顕信は岡山の句人である。若くして病に倒れた。それゆえに病気の句が多い。読んでいると切なく悲しくなってくる。しかし、ただ暗いだけではない、心を打つ印象的な句が多いのはこの句人の才能ゆえであろう。

そんな病気とは程遠い私であるが、5月病にはよくなる。しかも、5月以外にも。何もやる気が起きなくなるのだ。ただだるくて物悲しい。まるでバイクの大好きなライダーがバイクに乗るのだるいなと思うような。でも、日々の生活の反復に習いなんとなくバイクを走らせる。そんな感じ。何をやっても空回りして焦燥感だけが強く浮かび上がってくる。そんな人生を多くの時間送ってきたのだけど、その間いろんな事にチャレンジしてきた。この重苦しい心をなんとかしようと。

歌を歌う…そんなに家が密集している所ではないので、CDの音量を上げて大声で歌う。カラオケBOXみたいに人に聞かせるわけじゃないので何も考えずわめいてるみたいに。ただ、これは歌った後はすがすがしいんだけど、しばらくするとずしーんと反動が来たりする事があるんだよね。

おふろで沈む…辛いと思う時、水に顔をつけて息を止める。本当に死にたかったらこのまま死ねる根性があるかなとか思いながら。そして、息が苦しくて我慢できなくなって顔を上げるとなんだか生きてるこのまま生きてもいいんだって思う。というか、落ちこんだときって呼吸が浅くなるらしい。今身体の中にある空気を使いきって、水から顔を上げたとき深呼吸をすることによって新鮮な空気を身体に送り込んでるんじゃないんだろうか。ただの思いつきだけど。

走る…もくもくと。余計なことを考えないですむとか言いたいけど、かなり内面を見つめながら走る。懺悔してるみたいに、自分と向き合う。スピードとか自分との競争だし。これも、上と同じで空気の循環がいいのかもしれない。

本を読む…エッセイとか漫画とか絵本とか軽く読めるやつを。別に癒し系じゃなくても馬鹿系でも大量に一度で読むと脳みそが落ちつく。

などなど。他にも色々してますが今日はここまで。自分なりの5月病解消法ってあると思う。それを探すのも5月病の楽しいところだ。


○おすすめ本 「未完成」住宅顕信

★あつくるしいほど愛されたい★

私は絵馬を見るのが好きだ。神社に行くと必ず見る。そこには願いとは呼べない野望や叫び等がしたためられているから面白い。そんな趣味を持ったのも「ナイスな絵馬の世界」(http://suto-w.hp.infoseek.co.jp/frame.html)というHPのおかげである。毎日神社で採取したナイスな絵馬を紹介し突っ込みを入れるHPだ。まとめて読むとかなり面白い。このHPのもとネタがみうらじゅんの「みぐるしいほど愛されたい」の中にあるムカエマの世界である。ごめんよ、恋愛話じゃなくて。

「やきゅうせんしになれますように。あたまがえらくなりますように。」なんて本屋で思わず笑っちまったよ。おいらってばかなりあやしい客じゃん。この本でもとんでも絵馬が続々紹介されている。全部紹介したいくらい面白いんだけど、やっぱり読んでもらいたいので、ここで留めておこう。あ、コメントはナイ絵馬の世界の方が面白いよ。

この前、近所の神社に行ったときも絵馬を見たのだが一つ面白い物があった。神様にお願いするものなのに「ファックユー くやしかったらかなえてみろー」とへたくそな絵とともに書いてあった。ああ、こんなときにデジカメを持っていたら…。それにしても、内容も内容だが神様に向かって命令形。典型的な馬鹿絵馬である。田舎でもあるんだね。

○「みぐるしいほど愛されたい」みうらじゅん

★着物の憂い★

着物の展示会に行った。

やっぱり日本人なんだからいろんな着物が着てみたい。ここ数年、着物憧れ度数は急上昇中だ。でも、着る機会がないんだよね―。お茶でも習おうかと悩んでいる。でも、毎週なり慣れない着物を着て、慣れないお茶を習うというのはあまりに無謀な気がする。

そんな着物着たい病にかかってるなか読んだのが林真理子の「着物の悦び」である。もう着物病は最高潮。(心の中だけ。)誰か一緒に細雪ごっこしませんかー!!!うう…着物を着てどっか行きたい。お芝居とかパーティーとかさー。そんな世界が何処にあるってんだい!ええ##っと、やけっぱちに酒でも飲みだしそうな勢いだ。

夏といえばロの着物ね。今は梅雨時期だから縦じま模様で雨をあらわして、帯は水溜りの水滴が落ちたところを連想させる円が描かれているこの帯かしら。帯締めの色は…とかって、やりたーい!着る前からこんなに神経を使う服ってないよ。なんて素敵なんだ。

とかいいつつ、ロの着物ってなんだ?小紋って?留袖って?と、着物のことは何も知らないのであった。

目って不思議だ。また今度詳しく書こうと思ってるけど、見ることによって目というのは進化していく。(目というより脳かもしれないが)芸術品(着物に限らず絵や文学その他諸々)というのは一目見ただけでこれは高い良い物だとかこれは安い粗悪品だとか分かってくるときがある。一回分かったら後はずっとその目が養えるというわけではなく、たゆまぬ努力が必要なんだけどね。

で、着物初心者なもので、どれが良い物なのか分からない。かわいーと思った物は安っぽいといわれたり変だったりする。そこで、目を養おうと展示会に行ったのだ。ふう、やっと話しが戻った。着物の悦びでは展示会ではお弁当はもらわず、着物には近寄らず遠巻きに見るものとある。確かにそうだった。迂闊に近づいて着せてもらったとたん、がんがん着物や帯が持ってこられて着せ替え人形状態である。そして、着物を着せてくれるおばさんはこわい。着物は色々見せてもらった方がいいが、着るのはよっぽど気に入った物以外は着ちゃダメだよ―!!

○おすすめ本 「着物の悦び」 林真理子

モノクロワールド
     モノクロワールドとは、2003年から1年間、管理人ダウが書いていたテキストサイトのタイトルです。
テキストのシリーズには、「恋する女子達」という恋をテーマに書いた短いお話も入っていました。
このタイトルが今のサイトの名前の原型です。


今、モノクロワールドはなく、
いつ壊れるか分からないパソコンの中にひっそりとテキストたちはいます。
それは何だか寂しいなと思い、またひっそりとgirls in loveにアップしてみました。


検索でひょっこり来てしまったアナタ。
お暇つぶしによろしかったらお読みください。


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